以前の投稿で、このブログでのホルモンの定義=「畜産副生物」とお考え下さいと書きました。
この場合のホルモンはガツ、コブクロ、ハラミ、マメ、レバーなど全てを総称しての呼び方でした。
ではよくお店のメニューで見る『ホルモン』とは何の事でしょう?
実はお店や地域によっても中身が違います。
・牛ホルモン…牛の大腸、小腸
・豚ホルモン…牛の大腸、小腸
更に詳しく
牛ホルモン
・テッチャン…牛の大腸
・コプチャン…牛の小腸を裂いたもの
・マルチョウ…牛の小腸を裂かず脂を裏返して腸の中に詰めたもの
・コテッチャン…牛小腸
豚ホルモン
・シロ…豚大腸、豚小腸
・シロコロ…豚の大腸を裂かずに裏返したもの
・ショウチョウ…豚小腸
・豚テッチャン…豚大腸
また同じホルモンでも生で出てきたり、ボイルされたものが出てくる場合もあります。
生ホルモンとメニューに書いてあったりします。
なので一概にホルモン=コレとは言いづらいです。(本当にややこしい)
西の方ならホルモン=牛ホルモンですが、東では豚ホルモンの方が馴染みがあります。
ホルモンしま田のある群馬でもホルモンと言えば豚のイメージが強いです。
昔ながらのホルモン屋はメニューの大半が豚なことも多いです。
牛ホルモン、豚ホルモン共に『モツ』と呼んだりもします。
このモツは臓物の略称なので、どちらか固有の呼び方ではないです。
もつ焼きや、もつ鍋は同じホルモンです。
今回はそんな色々あるホルモンの中で豚の大腸について解説します。
豚のテッチャンとは?
テッチャンとは朝鮮語で大腸のことを指します。
なので豚のテッチャンとは豚の大腸のことです。
大腸は消化器官の一番終わり部分で、細かく分けると
盲腸、結腸、直腸の3つの部位からなっています。
ホルモンしま田では盲腸、結腸を大腸(ホルモン)部分として提供して、直腸はテッポウとして商品化しています。
大腸は長さにすると4~4.5mくらいです。小腸に比べるとだいぶ短いです。
大腸はソーセージのケーシングなどに使われたりもします。
大腸、小腸、直腸、胃などのボイルすると白っぽい消化器官をまとめて『シロもつ』『シロもの』と呼んだりもします。
腸などの消化器官は屠殺後でも自分の消化酵素で身が小さくなるので、
早めによく洗浄して使い切るか屠殺後すぐにボイルすることが大事です。
腸を生のまま保存しているとカット直後に比べて身が小さくなるのはそのせいです。
生の状態を焼くとゴムのようなグニャグニャした食感ですが、ボイル後は柔らかくトロっとした食感になります。
ボイルの仕方は仕上げたい柔らかさで変わるので、少し固めに仕上げるときはボイル時間を短くします。
シロコロとは?
シロコロとは豚の大腸を裂かずに裏返して、脂を筒の中に入れたものです。
神奈川県の厚木市のB級グルメとして一躍有名になった部位です。
部位としてはテッチャンと同じ大腸ですが、筒の中に脂があることでよりジューシーさが味わえ男性にも女性にも人気な部位です。
汚れが落ち切っていない場合に、中まで火がしっかりと通ってないと食中毒の危険性があることも指摘されています。
(テッチャンなどは裂いてあるので汚れの有無を確認しやすい。)
なので中までしっかりと火を通すことが大事です。ボイルして提供するお店もあります。
カットの仕方や仕込みの仕方で同じ部位でも名前が変わるのもホルモンの面白さですね。