雑学

牛は胃が4つあるって本当?

焼肉屋やホルモン屋でよく耳にするミノ・ハチノス・センマイ・ギアラってどこの部位か知ってますか?

この4つは実は全て牛の胃袋なんです。

それぞれミノ(第一の胃)、ハチノス(第二の胃)、センマイ(第三の胃)、ギアラ(第四の胃)と分かれています。

このように胃が4つある動物を反芻動物(はんすうどうぶつ)と言います。

反芻とは食物を口で噛んで、反芻胃に送って部分的に消化した後、再び口に戻して咀嚼する行為の事です。

牛の胃の数が4つあることを言うとビックリする方多いですがじつは意外と胃が4つある動物は多いです。

牛以外にも山羊、羊、鹿、キリン、ラクダなどが胃が4つあります。(ラクダは第三胃と第四胃の区別がほとんどないので胃の数を3つと言われることも)

ちなみに同じ草食動物の馬は牛と同じ祖先と言われていますが胃は1つだけしかありません。

反芻動物の胃にはそれぞれ役割があるので牛を例えに詳しく解説していきます。

第一の胃(こぶ胃・ルーメン・ミノ)

第一の胃:こぶ胃・ルーメン・ミノ

焼肉屋の定番ミノ!上ミノやミノサンドも美味しいですよね。

開いた形が蓑に似ていることからミノと呼ばれるようになりました。

この第一の胃の役割は、微生物による発酵の場所で牛が食べた草の繊維成分を微生物が分解します。

この発酵は人の腸と同じで、牛は発酵したガス(メタンガス)を口からゲップとして出します。=口からおならが出ているのと同じですね。

ちなみにこの時排出するメタンガスの量は豚や鶏の6倍以上と言われています。

牛の胃の中で最大の容量で、150リットル前後入る大きさをしています。

重さ成牛で10kg前後取れますが、ほとんどの部位が固い為商品として使える部分は1.5kgと言われています。

取れる量が少ないが胃の中では一番人気のある部位。

しっかりと草を食べて育った牛の方が濃厚飼料で飼育した牛よりも、この反芻胃が発達する為より肉として利用できる部分が多くなると言われている。

第二の胃(蜂の巣胃・レティキュラム・ハチノス)

第二の胃:蜂の巣胃・レティキュラム・ハチノス

フレンチやイタリアンの煮込みなどで定番ですよね。日本風の煮込みに入れても旨味たっぷりで美味しいです。

最近では焼肉屋やもつ焼き屋などでみかけることも多くなりました。

蜂の巣のような見た目をしていることからハチノスと呼ばれるようになりました。

この第二の胃の役目はポンプの様な役割をして、半分ほど消化した草を再び口に戻します。

口に戻った草を牛は再度よく噛みまた飲みこみます。牛が寝ながら口を動かしているのはこの反芻を繰り返しているためです。

第二の胃は牛の胃の中で一番小さく成牛で1kg前後です。

基本的にスーパーなどで出回る際は下処理されてボイルされたものが一般的です。

ボイルされている場合も再度軽くボイルするとより美味しく食べられます。

コムタンスープやソルロンタンスープなどを仕込む際にハチノスを加えて煮込んでも旨味が溶けだし美味しくなる。

第三の胃(葉胃・オスマム・センマイ)

第三の胃:葉胃・オスマム・センマイ

センマイと言えばセンマイ刺しですよね。自分も焼肉屋では必ずと言っていいくらいセンマイ刺しは頼みます。

初めてみたときの見た目のインパクトは衝撃的でした。

センマイはヒダが千枚あるように見えることからセンマイと呼ばれるようになりました。

朝鮮語ではセンマイのことを千葉(チヨニヨブ)といいます。日本語と同じで千の葉に見えることからこう呼ばれているそうです。

第三の胃の役割は第一第二の胃で反芻されて発酵が終わりドロドロになった草を、無数のヒダですりつぶし細かくし水分を除去して第四の胃に送ります。

この第三の胃までを前胃といい食道が変化したものと言われています、なので前胃の3つの部位に関しては消化液の分泌はありません。

第三の胃は2kg前後取ることが出来、胃の中では2番目に大きいです。

第四の胃(しわ胃・アボマスム・ギアラ)

第四の胃:しわ胃・アボマスム・ギアラ

ギアラと言えば定番はモツ鍋の具材に入っていたりしますよね。少し歯応えのある部位なのでもつ煮などで煮込むと柔らかくなり美味しいです。

最近では焼肉屋でもたまに見かけるようになりました。

関西の方だとギアラのことをアカセンマイと呼んだりもします。

この第四の胃の役割は人間の胃と同じように消化機能を持ち、消化液も分泌されます。

第三の胃から送られた草を第四の胃で消化します。

見た目は豚の胃(ガツ)に似ています。成牛から1kgちょっとのギアラをとることが出来ます。

まとめ

普段何気なく食べている焼肉の部位ですが、詳しく役割などを知るとまた違った発見があって面白いです。

同じ胃と言っても食感も味も見た目も全然違います。

焼肉の楽しさは部位をしることだと思うので、是非参考にしてみてください。

その部位にあった美味しい食べ方や調理法を今後もお伝えしていきます。

 

 

 

 

 

 

 

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